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CVR1.5倍、LTV1.2倍。あのLPはどうやって生まれた?クリエイターが語る制作秘話【対談】

※今回の対談は2020年1月上旬に行われたものです※

こんにちはこんばんは。
a-works メディアライターの 谷口けい と申します。

今回は、弊社のランディングページ(以下、LP)のデザイン制作でお付き合いいただいているリディアミックスの松下剛社長と、デザイナーの丸林さま、田中さま、弊社コピーライターのまさよ、私けいの5名で対談をさせていただきました。

上段がリディアミックス様のお三方、下段がa-worksの2人です

リディアミックス様と弊社が共同で作らせていただいた2本のLP、サンスター様「緑でサラナ」とコーセープロビジョン様「米肌」を振り返ります。「緑でサラナ」はインサイトを突いたコピーで、「米肌」は洗練された世界観で、クライアント様から高い評価をいただきました。

CVR・LTVの改善に大きく寄与したこれら2本のLPは、どのようにして「売れ続ける仕組み」として生まれ、機能したのか。原稿を書いた弊社まさよと、それにデザインを乗せてくださったリディアミックスの丸林さま・田中さまが、クリエイティブの現場からLP制作の背景や裏話を語ります。

クリエイティブについての専門的な領域だけでなく、「今の時代に消費者が求めているのは、”モノ自体”ではない」というような本質的な話にまで広がり、クリエイティブ職以外の方も楽しんでいただける内容になっています。

本記事は情報密度が高いため、【けいのメモ】という形で小まとめを設けております。要点の整理に役立てていただけたら幸いです。

消費者インサイトを刺激する、サンスター様「緑でサラナ」

【実績】
・CVR1.5倍
・LTV1.2倍
※それぞれ、2018年12月〜2019年7月までの実績ベースで算出

まさよ
サンスター様にもお話しいただいた通り、数字的なインパクトも大きくて、サンスター様もすごく気に入ってくださってます。

田中さま
ファーストビュー(以下、FV)のデザインを3案出させてもらって、2案はいい意味で安定感のあるデザインだったんですけど、自由に遊ばせていただいた第3の案が採用されたので、自分の中でもデザイナーとしての殻を1つ破れたと思ってます。

まさよ
ほんとに素晴らしいデザインだと思いました!

まさよ
「緑でサラナ」のLPは、「コレステロールを下げる(画像内A)」っていうキーワードと「食の楽しみはそのままに(画像内D)」っていう消費者インサイトの2点を絶妙なバランスで両立できた1本でした。

私が原稿に込めた「これを伝えたい!」っていう2つの要素を、しっかりとデザインに起こしていただけて。

田中さま
今までも、エンドユーザーのインサイトを追求することが大事って頭ではわかってたんですけど、実際は依頼主の意向に寄りすぎてしまうことが多かったんですよね。でも「緑でサラナ」のLP制作で、インサイトの重要性を強く体感して、より深く考えるきっかけになりました。


まさよ
最終的にはエンドユーザーが買おうと思ってくれるかどうかですからね。「緑でサラナ」でいうと、エンドユーザーは「コレステロールを下げたい」っていうのはもちろんあるんですけど、結局は食べることが大好きで、「大切な人との楽しい食事を(コレステロールのために)我慢したくない」から買うわけで。

田中さま
はい。まさよさんが「エンドユーザーはどういう心理でこのLPから商品を買うか?」っていうのを問い続けてくださったのが、本当に印象深いです。徹底的にエンドユーザーの気持ちを考えて作ることがデザインの根本だって改めて気づいた制作でした。

最初、意見が割れたFVデザイン

C案をベースにブラッシュアップし、薬機法の面もクリアになるように
サンスター様と調整を繰り返して、最終のFVが決まった経緯があります。

まさよ
FVの決定のとき、リディアさんとうちの間ですごくやり取りをしたじゃないですか。実は、サンスター様とうちの間でもものすごく議論したんですよね。

田中さま
そうでしたね!ご提案したFV3案のうち、サンスター様が気に入ってくださった案とこちらのおすすめ案が最初マッチしなくて。

まさよ
多分ほとんどの制作会社さんは、クライアントに「このデザインがいい」って言われるとそれ以上追求はしないと思うんですよね。もちろんそれはそれで、納品までスムーズですし、その時点でのクライアント満足という意味ではよいと思うんです。

でもうちの場合は、クリエイティブを作って納品することが目的じゃないので、そうはいかなくて。

a-worksは成果報酬型広告の代理店なので、クリエイティブ(LP)は、売れ続けるための仕組みとして機能することが必須条件なんです。クリエイティブによって広告運用の効果最大化をアシストするのが前提にあるっていう。

だから、クライアントの好みに合うLPというより、「ブランドを正しく伝えた上で、売れる」LPをお届けしないといけないんですね。

田中さま
「緑でサラナ」のときは、サンスター様が別案のデザインをかなり気に入ってくださってたので、双方が納得のいく着地に至るまでトコトン議論されていたのを覚えてます。

まさよ
デザイン的な好みではなくて、「ブランドを正しく伝えた上で、”売れる”という観点で見たときにベストなものはコレです」っていうのを、根拠をもってご提案するのが本当に大切ですね!

【けいのメモ】
機能性を伝えることに特化したLPから購入したお客様は、その通りの効果が感じられなければすぐに購入を止めてしまいます。しかし「楽しい食事を我慢したくない」というインサイトを突いて、商品を使うことで起こる変化(=楽しい食事を我慢しなくてよくなる)をイメージさせることができれば、長期的な変化を期待してリピートしてもらいやすくなるのでは?と考えています。
結果的に「緑でサラナ」のLPは、LTVを1.2倍にまで引き上げました。

ブランドの世界観が冴える、コーセープロビジョン様「米肌」シリーズ

【実績】
・CVR1.34倍
※LP切替月の前後1ヶ月での比較(2018年10月と2018年12月)

けい
米肌の「肌潤」のLPは、米肌ブランドの世界観がうまく表現できてますよね。何か特別な工夫やこだわりはあったんですか?

(この記事を書いてる男です)


丸林さま:ありがとうございます。肌潤LPは、自分の中で”きれいめLP”への挑戦だったんです。

普段はセールス色の強いLPを作ることが多いので、ブランディングに振り切ったデザインは、かなり大胆なチャレンジでした。

丸林さま
Webデザインのシュッとした空気感をLPで表現できたらかっこいいなぁって、ずっと思っていて。それで「杜氏の手」のブロックで、「ここになら入れられそう!」と思い切って挑戦したらうまくハマってくれました。チャレンジして本当によかったです。

まさよ
「杜氏の手」のデザインを初めて見たときの感動は今も忘れられないです。

実は私の中でも「杜氏の手」のブロックは、原稿の構成のキモになっていて。社内では“驚きコンテンツ”って呼んでるんですけど、LPを上から流し読みしている消費者の集中力が切れそうなタイミングで、意外な気付き要素のあるコンテンツを差し込むんですね。

「ハッ!」とする気付きをきっかけに、低下した集中力を再び取り戻して、また前のめりにLPの続きを読んでもらう。肌潤の場合「杜氏の手は、白く美しい」のブロックがこれに相当します。

集中力が高まるピークにブランドのアイデンティティ(「日本人の健康と美肌を支えてきた、お米」)と商品機能(ライスパワーの美容力)を掛け合わせたコンテンツを仕掛けることで、ブランドをより印象付けながらセールスできたんじゃないかと思います。

そこに、丸林さんがやってみたかったことに挑戦できたと言っていただけて、すごく綺麗に噛み合った状態で仕上がったのに感動しました。

丸林さま
「杜氏の手」ブロックが全体の空気感を支配したので、それまで揺れてたFVのデザインもここに寄せて調整したら、気持ち良いくらいハマったんですよね。

基本的にLPの空気感を支配するのってFVだと思うんですけど、中身の1コンテンツがそれをするのは、後にも先にもあのLPだけです。

まさよ
完全に同意です。

丸林さま
こうやって新しいチャレンジや経験をしたことでデザインの幅が広がって、別のクライアント様に対して「この商品ならこんな見せ方はどうですか?」っていうご提案ができるようになりました。あと、新しく得た知見を後輩デザイナーたちに伝承することで、社内全体のレベルアップにもつながってます。

まさよ
ただありもの(原稿)にデザインを乗せるではなくて、原稿に込められた「意図」を汲み取った上で、それをデザインに起こせるデザイナーさんってそう多くないと思います。本当に素晴らしい!

結果が出たのはもちろんですけど、丸林さんが作ってくださった米肌ブランドの世界観をコーセープロビジョン様もすごく気に入ってくださって、2本目の「肌潤美白」のオーダーもくださったんですよね。

商業デザインに個性はいらない?

まさよ
「肌潤美白」のLPは違う文脈で感動しました。

松下社長
うちの男性デザイナーが作らせていただいたものですね。

まさよ
「男性が作ったんですか!?本当に??」っていう感じでした。笑

ライターもそうですけど、男性が作られた女性向けのクリエイティブって、どうしても分かるんですよね。ライターさんなら言葉選びとか構成の組み方、デザイナーさんだったらデザインの色使いとか写真のモデルさん選びとか。

肌潤美白のデザインは、男性が作ったとはわからないくらい自然で本当にすごいなと。

松下社長
それは僕らが目指しているところなので、よかったです。

僕の考えですが、特にセールスプロモーションの場合、デザインに個性は要らないと思ってるんですね。もちろんみんな個性を持ってるんですけど。いろんなクライアント様と対峙しますし、考え方や表現方法もそれぞれのクライアント様に合わせる必要があるので。

まさよ
それぞれのデザイナーさんの能力ももちろん高いんですけど、「リディアミックスさんとしてのクリエイティブ力」を重視されてるように感じてます。

松下社長
まさにそうですね!もともと会社立ち上げ当初から「チームとしての力を強くしていこう」っていうことは口酸っぱく言ってたんです。個人の力に依存しちゃうと会社って伸びませんからね。

けい
デザイナーさんって”個”で戦うイメージだったんですけど、リディアさんは組織としてのデザイン力に重きを置いてるんですね。

松下社長
その通りです。

得意不得意はもちろんありますけど、企業としてやってる以上はお互いの得意を共有し合って、組織としての力を底上げして行くことがすごく重要だと考えてやってます。

【けいのメモ】「肌潤」LPは、ブランドのアイデンティティと商品機能をうまく掛け合わせた「杜氏の手」コンテンツで、ブランド理解と商品理解を両立させました。また、このコンテンツの空気感がLP全体に波及したことで、米肌ブランドの世界観をLPで印象づけることができています。
リディア様はこういったデザイン力を、属人的ではなく組織的にもつべきであると考えており、組織としてのデザイン力を高めています。

どうなる?今後のクリエイティブ

まさよ
自分で原稿書いていて感じるんですけど、セールスが基本のLPでも、年々ブランディング要素が色濃くなってきているな、と。

昔は商品の数自体も少なかったので、機能性だけで他社との違いを表現できたし、それでモノが売れてましたよね。

でも今は似たような商品が乱立しすぎて、機能性の違いでモノを売るという、今まで通用してきた流れが成り立たない、ほぼ不可能というとこまできているように思います。

じゃあ何で差別化するのかっていうと、ブランドの世界観や理念だと思うんですよね。機能性は簡単にコピーできるけど、ブランドのストーリーや世界観はそう簡単にコピーできませんから

田中さま
デザインも全く一緒ですね。ブランディング要素の強いデザインが求められるようになってきてます。

松下社長
実は最近、コーポレートサイトのリニューアルの依頼が増えてきてるんですけど、これも同じ流れな気がしますね。

ちょっと前までは「あったらいいな」くらいの感じだったコーポレートサイトが、「ないとダメ」になってきてるのを感じます。採用サイトに求人を出すのもいいんですけど、自社でリクルートサイトを作る方が人が集まりやすいんだろうなと。

まさよ
採用なんてブランディングの極みですもんね。

ネームバリューとかお給料だけじゃなくて、企業理念とか社風が自分の価値観と合うかどうかが重視されるようになってきてるのも、ブランディングの比重が大きくなってきてることの現れだと思います。

モノではなく、ライフスタイルを売る時代へ

まさよ
ブランディングの文脈で言うと、商品の「機能性だけでモノを売る」時代ってもう終わったんだなっていうのを、強く感じますね。モノを通して得られる商品機能そのものを売るんじゃなくて、ライフスタイルを売るように進化したっていうか。

見えてる事象としては商品が売れてるんですけど、エンドユーザーが欲しいのは商品自体じゃなくて、そのブランドの商品を使うことで得られる感情とか、理想の暮らしを体現するっていうことだろうなって思うんですよね。自分らしさを表現するための手段としての商品、みたいな。

丸林さま
とある化粧品のPRで、インスタグラムを上手に使ってたのが話題になりましたよね。とある女優さんと俳優さんが架空のカップルになって、2人がそのブランドの化粧品を使ってる生活シーンをリアルにインスタグラムにアップするっていう。

2人の生活を見守る中で、「私もこうなりたい!」っていうのを自然と感じさせるのがすごく上手でした。まさに「ライフスタイルを売る」という感じですよね。

まさよ
本当にそうですね!

「私もこうなりたい!」「家に置いてるだけで気持ちが上がる」もっと言うと「これを使ってるのが私らしい」って思ってもらえるようなクリエイティブにしていかないと、なかなか売れないようになっていきそうだなぁと思います。

丸林さま
ブランド側が商品を通して得られる「理想の暮らし」を広告の中でリアルに提案するからこそ、消費者側が「私もこうなりたい(だからこれを使おう)」って思える気がします。

まさよ
そうですよね!商品機能がよくわからなくても、ブランドの世界観とか空気感が自分の価値観と合えば買う人って増えてきてるように思います。

まとめ

今回は、クリエイティブ領域で5年以上もご一緒させていただいているリディアミックス様と、過去に制作したLPについて振り返ってきました。

インサイトを突いたLPで、商品を使うことによって起こる変化(=緑でサラナLPでは「食の楽しみはそのままに、コレステロールを下げる」に相当)をイメージさせられると、長期的な変化を期待して使い続けてくれるお客様が増え、リピート率が向上します。

また、商品の機能面の訴求だけでは競合との差別化が困難になってきている中で重要なのが、ブランドの世界観やブランドストーリーです。これらはかんたんにコピーされることのない強力な差別化要因であり、エンドユーザーはこれを基準として商品を選ぶようになってきています。

機能性ではなくブランドの世界観で商品が選ばれる流れは、今後さらに加速します。

ブランドは、そのアイデンティティと消費者それぞれのライフスタイルや価値観を交錯させて「理想の暮らしの体現」「自分らしさの表現」をするための手段、という位置づけに変化していくでしょう。

クリエイティブ制作を行う上でも、こういった変化は理解しておかなければいけません。「売れ続けるクリエイティブ」を作るためには、売ること以外についても考え続ける必要があるということですね。

リディアミックスの松下社長、丸林さま、田中さま、この度は貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

以上で対談レポートを終わります。最後までお読みくださったみなさま、ありがとうございました。

⇒リディアミックス様の公式サイトはこちらからどうぞ