サンスター様と考える、CVRとLTVが共に伸びるクリエイティブの在り方【対談】

【本記事のポイント】
◇消費者インサイトの重要性
◇ブランド視点ではなく、ユーザー視点で作ること
◇スペック訴求より、“To-be”を描くこと

こんにちはこんばんは。
a-worksメディアライターの 谷口けい と申します。

今回は、丸4年ほど弊社とお付き合いいただいている「サンスターグループ」のデジタルマーケティング担当である兒嶋様・森様と、対談をさせていただきました。

テーマは「クリエイティブ」です。

弊社がサンスター様のアフィリエイト運用をさせていただく上で、課題がクリエイティブにあると考えたため、弊社でLP(ランディングページ)を刷新させていただきました。

本記事では、弊社のクリエイティブがどのように機能したかを掘り下げる中で、今後の「売れ続けるクリエイティブの在り方」について議論します。

前提として、弊社がサンスター様へ納品させていただいたクリエイティブは、下記2つです。

『緑でサラナ』LP

『ホワイトロジー』LP

LPの詳細についても、本文にて述べています。

本記事は情報密度が高いため、【けいのメモ】という形で小まとめを設けております。要点の整理に役立てていただけたら幸いです。

弊社クリエイティブ導入のインパクト

野山:
「僕らが御社に1番価値貢献できたのは『緑でサラナ』のLPかなと思っているんですが、ここの認識は同じですかね?」

兒嶋様:
「もちろんです。」

野山:
「ありがとうございます。
弊社のことをお話すると、『緑でサラナ』はすごく商品が立っていて、トクホも取っているということで、商品としてすごく作りやすいというのがありました。

でも1番すごいなと感じたのは、サンスターさんがカスタマーのことをすごく見てるところなんですね。いろんな企業さんのクリエイティブを作ってきた弊社のクリエイティブチームが驚くくらい、ターゲットのペルソナが具体的で的を得ていたからこそ、質の高いLPが作れたと思っています。」

兒嶋様:
「それはよかったです。
僕らとしても、制作いただく際に出せるだけの情報は出させていただきました。」

CVRの変化

野山:
「すごく明確なペルソナをいただけたので、弊社内では『絶対に良いLPが作れるね』っていう話が出ていたんですよ。

そこで、実際にCVRの変化を簡単に整理してきまして、こんな感じでした。」

【LP切り替え後のCVR】
▼緑でサラナ
・アフィリエイト広告全体の平均CVR:約1.77倍

▼ホワイトロジー
・「美白化粧品 おすすめ」検索面上位サイトのCVR:約1.46倍

※ここでは、効果が特に大きかったもののみ公開します
※実際のLPは後ほどご紹介します

野山:
「こういったところは、弊社も価値貢献させていただけたのではないかと思っています。」

兒嶋様:
「あらためて見るとすごい伸びですね…ありがたいです。」

野山:
「アフィリエイトモデルにおいては、CVRを上げられると、CPAはそのままで件数を伸ばすことができるので、究極の効率化なんです。」

兒嶋様:
「2019年3月のGoogleのアップデートで、化粧品ジャンルはかなりの打撃があったんですけど、『ホワイトロジー』はむしろ伸びてるくらいなんですよね。」

四角:
「数字を見ると、『ホワイトロジー』については、LP切り替え前は取れていなかった一般キーワード群(『美白化粧品 おすすめ』など)の獲得効率が大幅に向上しています。

やっぱりアフィリエイトって、売れない商品を売るためのものではなく、売れる商品をより売れる状態にもっていくものですし、だからこそ、CVRが担保できれば今後さらに大きく伸ばせると思っています。」

森様:
「『緑でサラナ』の方は、GoogleとYahoo!のディスプレイ・指名検索にも広告を出させていただきました。

結果的にはやっぱりよくて、CVRの全体平均は150%くらいになっていました。あと、情緒的ですごく綺麗なクリエイティブなので、SNSでも映えるんじゃないかと思ってFacebookなどにも出稿しまして、こちらもSNS全体でCVR120%くらいになっていましたね。」

四角:
「本当ですか、嬉しいです!
どういった思想であのLPが制作されたか、といったところは引き続きお話の中で振り返っていければと思います。」

メディア側のファン増加

四角:
「実はLP差し替え後の変化として、CVRの向上に加えて『メディア側のファンが増えた』っていうのがあるんですよ。」

森様:
「メディア側のファン……なぜ増えたんでしょう?」

四角:
「新LPは、商品が伝わるように作ったのはもちろんなんですが、ブランドの世界観をきちんと反映したビジュアルっていうところにもこだわっています。さらにCVRが高いというのもあって、メディアさんに魅力的な案件だと感じてもらえて、より上位の掲載枠を取りやすくなりました。」

森様:
「なるほど。
CVRが増えるっていうのは直接的でわかりやすいですが、ブランド・商品の認知が上がって掲載していただきやすくなったことも、件数の底上げに繋がったんですね。」

四角:
「そうなんです。
商品のことがよく伝わることは前提で、その上で、ブランドの世界観をビジュアルに反映できるかっていうのは重要なポイントだと思います。」

コピーライターより解説

対談の途中ではありますが一旦中断して、ここで、『緑でサラナ』『ホワイトロジー』のLPをあらためて見ていきます。

両LPを制作した弊社の “まさよ” に、今回のLP制作のポイントとなる部分を解説してもらいました。

まさよの記事もどうぞ:競合に、もう負けない。売れ続けるクリエイティブの在り方

緑でサラナ

『緑でサラナ』の弊社制作LP

<A:流入キーワードとの親和性>
ユーザーの検索意図への回答として、流入キーワードである「コレステロール 下げる」を目立つ位置に置いています。LPを開いた瞬間に「自分の関係あるページだ」と認識してもらうことが目的です。

<B・D:インサイト>
コレステロールを下げたいと考えているユーザーの無意識の欲求「食の楽しみは削りたくない」を、テキストと画像の両方で提示しています。
スペックだけ見ると似通った商品が多数ある中で、「この商品を選ぶ理由」になるのがこの部分です。

<C:購入の決め手>
ユーザーの検索意図や悩みに応えられる商品であることを、明確なスペックで根拠付けています。
サラナの場合は、「コレステロールを下げたい」という悩みをもつ人に対して、信頼感・安心感をもってもらいやすい要素だと考えられる「トクホ」を入れました。

ホワイトロジー

『ホワイトロジー』弊社制作LP

<A・D:流入キーワードとの親和性>
検索意図への回答として、流入キーワードである「シミ」「美白」を目立つ位置に大きく配置しています。
FV(ファーストビュー)を見るタイミングで意識している言葉は何かを考え、それを目立つ位置に置くことで、ユーザーの興味を引いて離脱を防ぎます。

<B:ブランドコンセプトとの親和性>
商品は、スペックだけだとすぐに乗り換えられてしまいます。
スペック面での納得だけでなく、「ブランドへの共感」を得た上で買ってもらうことで、引き上げ率・継続率が高まり、LTVの向上に繋がります。

<C:購入の決め手>
こちらはユーザーアンケートから分析した結果です。
ユーザーの検索意図に応えられる商品であることを、実際の購入者の声という根拠で補強します。
ブランド自身の発信したい部分ではなく、購入者目線の声であることが重要です。

【けいのメモ】
ブランド視点だとどうしても、「トクホ」「有効成分」などの目に見える部分を強調したくなってしまいますが、LPで立たせるべき要素はそれらではありません。
検索意図に応えた商品であることを明示した上で、商品によって得られる豊かさを伝え、ブランドへの共感を得ることが重要です。具体的なスペック面での優位性は、ここを補完するための要素として考えるべきだと考えています。

消費者インサイトの重要性は、さらに強く

顧客は商品選びで何を見るのか

森様:
「旧LPは露骨に『コレステロールを下げる』っていう機能一辺倒な訴求でして、たしかに顕在的にコレステロールを気にしている層には一定の効果がありました。

ただ、僕らみたいな、若くてコレステロール症状に危機感をもたない世代には全くピンとこないっていうのもあって。もちろんメインターゲットは若い世代ではないんですけど、次のターゲットとなりうる予備軍の世代を育てていくためには、別の訴求が必要だと思っていたんですね。

そこで、どんな訴求なら自分も買うかって考えたときに、“美味しさ”や“食の楽しみ”って重要だと思いました。旧LPではそこがコレステロール訴求に埋もれてしまっていたんですよね。」

四角:
「たしかに、旧LPは機能面の訴求がすごく強かったですよね。」

森様:
「そして、市場にこれだけ大量の競合商品がある中で、お客さんとしては実は機能性って、『トクホ』とか『機能性表示』で一定担保できていればそれで良いんじゃないかっていう。

そう感じていた中で御社にLPを制作いただいて、『食の楽しみはそのまま』っていうワードや、楽しい食事をイメージさせるような画像が入っていて、僕がぼんやりと感じていたことが想像以上の形になって出てきました。
そういう、雰囲気込みで食卓を囲むことの楽しさが伝わるLPをご提案いただいたのは初めてでした。」

四角:
「ありがとうございます。
僕の中で、LPを通してサラナっていう商品のかっこよさをもっと伝えられるはずだと感じてたんですね。
御社の健康への想いが反映された商品だと思うので、より生活を豊かにするプロダクトであるというところは表現したいという話をしていました。」

兒嶋様:
「森も言いましたけど、新しい視点で作ってくださったのがすごく良かったです。

『トクホ』とか『機能性表示』をもってる商品って、すごくレスポンスが良いですし、強い武器になるんですけど、裏返すと思考停止に陥るんですよね。
機能だけを言っておけばいいみたいになりがちなんですけど、御社の場合は全くそうじゃなくて、すごく考え抜かれたものだっていうことが伝わるLPでした。」

ほとんどの人は「自分の欲しいもの」がわかっていない

野山:
「ありがとうございます。
うちの会社でよく言ってるのが、『みんな自分が欲しいものが何かわかっていない』っていうことなんですね。

たとえば『お中元』っていうキーワードって、7月には30万くらいの検索ボリュームがあるんですよ。お中元で何かを送りたいわけですけど、何を送ればいいかわからないから『商品名』ではなく『お中元』で検索してるんですね。

今回で言うと、みんな『コレステロール下げないとなー』と思ってはいるものの、『こっちの方が安い』とか『こっちはこんな効果もある』とかで、いろんな商品を見るわけですよね。

その中で他にはない、消費者のインサイトを捉えたクリエイティブを作る。それが『食の楽しみはそのままに』『頑張らないコレステロール対策』っていうところじゃないかということで、そこを深掘りしたいねって話をしてました。

そしてそこに気づかせてくれたのは、御社の資料なんですよね。」

兒嶋様:
「インサイトを狙って当てるってすごく難しいですもんね。見落としてしまうことは多いと思います。」

野山:
「事業会社や販売側からすると『トクホ』っていう強みに目が行ってしまうのはよくわかります。だからそこを補完できるような支援会社・代理店じゃないとダメですよね。」

【けいのメモ】
「ブランド視点で、ブランドが言いたいことを羅列したLP」からは、なかなか商品は売れません。“トクホ”や“機能性表示”はわかりやすい強みであり、ブランドとしてはつい強調したくなってしまうものです。
しかし人間関係と同じで、相手のことを考えずに自己主張ばかりしていても、よい関係を築くことはできません。

消費者自身すら気づいていない「本当の欲求=インサイト」を探り当て、「あなたが本当に欲しいのはこれではないですか?」と提示してあげることで、売り込むことなく自然に売れる状態を作れるのだと思います。

LTVが伸びるクリエイティブとは?

森様:
「サラナはディスプレイや指名検索の広告でも御社のクリエイティブを使わせていただいたとお話ししたんですけど、実は1つ懸念していたことがありました。

それが、すごく情緒的で綺麗なクリエイティブだから衝動買いする人が増えるんじゃないかっていうことなんですね。衝動買いだと定期購入の継続には繋がりにくいんじゃないかっていうところが少し不安でした。

だから改めてLP別に数値を計測してみたんですが、旧LPと比べてLTVが約120%になってて、すごく驚いたんですよね。」

兒嶋様:
「LTVが伸びたことに関して僕は1つ仮説をもっていまして、『なりたい姿』すなわち”To-be”が描けているからかなと考えています。


機能性だけを期待するお客さんって、短期的に効果を感じられなかったらすぐに止めちゃうんですよね。でも、機能性だけじゃなくて“To-be”を描いてもらうことができれば、長期的な変化を期待して継続してくれるんですよ。」

四角:
「なるほど。サラナのクリエイティブでいうと、サンスターさんが提案する“To-be”をうまくLPに落とし込むことができたからこそ、LTVが伸びたのではないかっていうことですかね?」

兒嶋様:
「はい。
ホワイトロジーも同じで、旧LPは『シミをもとから抑制』という機能性の部分を強く押していて、使った後のその人の変化までは伝えられていなかった。
でも御社に制作いただいたLPには、『本当の素肌で生きていく』『シミは、もう隠さない』っていう“To-be”がFV(ファーストビュー)で入っていて、この商品を使うことで起こる変化をイメージさせられるものになっていました。」

四角:
「やっぱりブランドを強くもっていないと“To-be”を提案できないと思うんですよね。そうなると、訴求が機能性に振り切ってしまう→効果が感じられなかったら顧客はすぐに離れていく→LTVは低い→また無理な広告を打つ っていう負の連鎖に陥ってしまいます。

 

でもブランドが立っていて、インサイトを突いた“To-be”を提案できればお客さんに続けてもらえるし、LTVは高まるんですよね。

クリエイティブだけじゃなくて、御社のCRMがうまく機能してくれたっていうのも大きかったと思います。」

森様:
「そうですね。購入の入り口で『コレステロール抑制』を強く押していないので、その後のCRMでコレステロール対策という側面を引き立たせるっていうことは意識しました。

ライトな悩みをもつ層に、サラナきっかけでコレステロール対策をちゃんとやろうと思ってもらえるCRMができたっていうのも、LTVの向上に繋がったかなと思います。」

“アート”と“サイエンス”

兒嶋様:
「僕は“アート”と“サイエンス”のバランスってすごく大切だと思っています。

デジタルの世界って良くも悪くも数字が明確に見えるので、“サイエンス”が勝ちがちなんですね。
数字で見える化できるからこそPDCAを回して創り変えていけるっていうメリットはあるんですけど、やっぱり“アート”の視点が抜け落ちてはいけなくて。」

四角:
「アートの視点ってすごく大事だと思うんですけど、アートって答えがないので、なかなか作れる人は少ないですよね。」

兒嶋様:
「少ないと思います。
でもこれからは、売り感や機能性訴求の強いベタベタのクリエイティブではなく、“To-be”を提案できるクリエイティブと、それを創ったり、見極めることができるアートの視点が必要不可欠になると思います。」

【けいのメモ】
買い物という行為は、商品の“機能的なメリットを買う”ということだけではなく、商品によって”理想の自分になるための投資”でもあると考えています。だからこそ購入前のLPの段階で、「理想の自分=To-be」をイメージしてもらうことが大切です。
そしてこれを実現するためには、ブランド自身が、「この商品を使えばこんなあなたになれますよ」というところを定義・言語化する必要があります。

サンスターが提唱する考え:“Mouth & Body”

野山:
「最後にサンスターさんのことを少しだけお聞きしたいんですけど。
サンスターさんって、オーラルケアの印象がすごく強いのに、オーラルの方って通販ほとんどされてないですよね?」

兒嶋様:
「そうなんです。さまざまな課題がありまして、なかなか手を出せていないんですよね。ですが、できることから色々と動き出している状況です。

僕らは“Mouth & Body”っていうのを提唱しているんですね。
お口と身体の健康は繋がっているという話で、お口と身体の双方をしっかりとケアして健康寿命を伸ばしていくという考えのことです。」

野山:
「“Mouth & Body”かっこいい理念ですね。」

兒嶋様:
「ありがとうございます。
サンスターは長年、お口と身体の健康について各研究機関ともに研究してるんですけど、口腔機能と全身の健康との関連性を示唆する結果はいろいろ出てるんですよ。」

野山:
「たしかに、スポーツ選手で、パフォーマンスが下がったから歯の矯正をしたっていう方もいらっしゃいますもんね。」

兒嶋様:
「そうなんですよ。
今後もそういったところには本気で取り組んでいかねばと思っています。

そして、今言ったような専門的な情報やブランドを発信するプラットフォームとしてのオンラインショップを作っていきたいと考えています。僕らの考え方である“Mouth & Body”を体現できるプラットフォームにできれば、それはサンスターしかできないことですし、すごく価値があることなので、これから力を入れていきたいですね。」

野山:
「本当にトップカンパニーですもんね。
その中で、御社のプラットフォームだからこそ発信できることと、逆に第三者発信が必要なこととがあると思うので、両者を思想の中に絡めていただいてより幅が広げられたらいいなと思っています。

僕たちは御社のような、『消費者のライフスタイルをよりよくする』『暮らしを変える』っていうことに真摯に向き合っているブランドさんを本当に支援したいと思っているので、今後とも一緒に高め合っていきましょう。」

兒嶋様・森様:
「ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいします。」

野山・四角:
「今日はお越しいただいて本当にありがとうございました。」

おわりに

今回は、サンスター様の「緑でサラナ」「ホワイトロジー」のCVR/LTV向上に成功したLPについて、「何が、どうよかったのか」を振り返ってきました。

機能性の説明に終始するのではなく、商品によって得られる豊かさや、理想の姿=“To-be”をイメージさせること。
自分でも何が欲しいのかわかっていない消費者の心肝を読み解き、それを言語化することが、「売れ続けるクリエイティブ」を作る上でのキモです。

対談後、嬉しいことに、サンスター様から3本目のLP制作のご依頼をいただきましたので、よりアップデートしたクリエイティブで、CVR・LTVの向上をアシストさせていただきます。

兒嶋様・森様、この度はお越しいただきましてありがとうございました。

以上で、対談レポートを終わります。
最後までお読みくださったみなさま、ありがとうございました。

ページの先頭へ