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シンクロ西井氏に聞く。最高のパートナーの在り方と、売れるブランドの生命線。

【本記事のポイント】
◇最高のパートナーシップを組むために必要なこと
◇「売れる」ブランドになるために考えるべきこと
◇マーケターとして持つべきマインドセット

こんにちはこんばんは。
a-worksメディアライターの 谷口けい と申します。

今回は、以前の対談企画でも来てくださった「株式会社シンクロの代表で、オイシックス・ラ・大地(以下オイラ大地)の西井様」が、またも弊社オフィスへお越しくださり、質疑応答形式のトークセッションをさせていただきました。
前回の対談:オイシックス西井氏が絶賛!ユーザーの検索行動に寄り添う「シンプルな方法論」を語る【対談】

今回のイベントは2部構成で行われました。テーマはそれぞれ、下記のとおりです。



【第1部】
「広告代理店のユニークなポジショニングについて率直な意見を聞いてみる」
【第2部】
「”スキルのあるマーケターがいる組織”は、どのように作られるのか」


基本的には、弊社のメンバーが西井様に気になることを質問形式でお聞きし、西井様にお答えいただく流れで進んでいきます。

事業会社と広告代理店のパートナーシップや、マーケターのあり方などのお話を伺う中で、トップマーケターである西井様のビジネススタンスや根本思想を垣間見ることができました。

貴重な機会ですので、レポートします。

本記事は情報密度が高いため、【けいのメモ】という形で小まとめを設けております。要点の整理に役立てていただけたら幸いです。

第1部:広告代理店のユニークなポジショニングとは

第1部の登場人物は西井様と、弊社から百々・溝端・三田の計4名です。

左から、三田・溝端・西井様・百々

百々:
前回西井さんと対談をさせていただいたとき、a-worksのことを褒めちぎってくださいまして、今までやってきたことは間違ってなかったんだと感じられる非常に光栄な時間を過ごさせていただきました。

前回の対談は『これまで』のお話をさせていただいたのですが、今回の場は、『これから』より進化していくためにどうあればよいかを考えるためのヒントになればと思っています。」

西井様:
「なるほど。よろしくお願いします。」

百々:
「よろしくお願いします。
a-worksメンバーは、他社でマーケティングの経験を積んだという人がほぼいないので、他の事業者(広告主)さんと支援者(代理店)の連携や、事業者が支援者に求めること、イケてる支援者とそうでない支援者の違いなどを紐解きながら、自社の強み・弱みを認識できるようにしてもらえたらと思います。」

西井様のキャリア

西井様:
「それじゃ僕もカンタンに自己紹介しますね。

今年で44歳なんですが、デジタルマーケティング業界に入って、気づくと44歳だったっていうくらい本当にあっという間でした。

僕は大学を卒業して、肉体労働なんかをトリプルワークしながら1年間で250万貯めて、2年半の間世界一周しました。70ヶ国くらいを回りながら、自分でHPを作って世界一周の様子を世界中のあちこちで更新してました

当時はソーシャルメディアもブログもなかったので、『ホームページ・ビルダー』とかを使って自分でHPを作って、旅先で会う人達にURLを渡して見に来てもらったりしてる内に少しずつ大きくなっていって。

で、実はこのHPがすごく人気が出て、日本に帰ったときに書籍になったんですよね。」

百々:
「書籍化までいくって本当にすごいですね。」

西井様:
「ありがとうございます。
僕はもともと土木建設の学科の出身で、本当はゼネコンに進む予定だったんです。でも、そうやってHPを更新してたら本を出せるようになっちゃって、『インターネットって面白いな』って気づいたんですよね。それでデジタルの業界に入りました。

最初に入った会社では、とにかくWebのスキルをつけようという意識で仕事をしてました。そこで2年半くらいアフィリエイトに熱中して、1社挟んでドクターシーラボではずっとマーケティングをして。で、2014年から起業して、今はオイラ大地の執行役員としても入っているので、2つ仕事をしてます。
以上が僕のキャリアです。」

百々:
「ありがとうございます。
西井さんのキャリアについては個人的にすごく気になっていたので、いきなりいいお話が聞けました。

2人(溝端・三田)は西井さんのキャリア回りで聞きたいこと、ある?」

兼業することで、自社でのバリューが向上する

溝端:
「西井さんのとあるインタビュー記事で、『兼業は、やることが増えるんじゃなくて価値が高まることだ』っていう内容を話されていたと思うんですけど、僕らもそこはやらなきゃいけないと思いつつ、時間対効果の価値を高めるのがすごく難しいなと感じていて。”兼業”をする上で、西井さんが意識されていることがあれば教えていただきたいです。」

西井様:
「大前提として、目の前の仕事を一生懸命やらなきゃいけないのは当然なんですけど、マーケティングって会社によって全然違うんですね。たとえばWebの制作を兼業で他社でもやるとなると、やり方や制作物が自社とは違うので、また違う筋力がつくんですね。

僕はオイラ大地の人間にはけっこう兼業を推奨しています。部長以上の人間とかだと、兼業で2時間外部で働くと、自社で働く2時間とは全然違うんですよね。それによって、自社で発揮されるバリューも1.2倍くらいになったりします。

だから、ある程度のキャリアを積んだら、兼業することによって時間価値は大きくできるんじゃないかなって思います。」

溝端:
「ありがとうございます。」

事業会社が支援会社に求めること

西井様:
「これって事業会社と支援会社(代理店など)の話にもつながると思うんですけど、支援会社のいいところって、いろんな会社に携われることなんですよ。やっぱり自社だけで閉じた会話になるより、他社のことも知れる方がいいし、他社での経験が自社での価値にすごくつながると思います。」

百々:
「なるほど。
今回、『事業者が支援者に求めること』っていうのをお聞きしたかったんですけど、いろんな会社に携われる支援者が幅広い情報を持ってるから、事業者としてはその情報を活用したいっていうのがあるんですか?」

西井様:
「支援者が幅広い情報を持ってるっていう価値もあると思うんですけど、事業者が求めるのはそういった『事例』ではないと思っています。

事例ではなくて、うまく変換する力が必要なんですよね。
事業者は難しい事業をおこなう上で、その事業に特化したスキルを高める必要があるのですが、 広告や制作などの専門的な情報が薄くなりがちなんです。だから、そこを補完できる関係じゃないとダメだと思います。

たとえば、支援者さんは『こういう手法があります』ってただ手法を提案するだけじゃなくて、『御社で使うならこういう形に変換した方がいいんじゃないか』っていうところまで考えるべきなんですよね。

もちろん事業者側も、 『お金払ってあげてる』とか『ただの発注先だ』とかって考えてる方が多いけど、そうではなくて対等なパートナーとして支援者のことをきちんと考えるべきです。
そしてそれがお互いにできているのがすごくいい状態だと思います。

事業と支援とかって言ってますけど、結局は足りないスキルを補いあって事業を成功に導くパートナーでしかないですからね。そこに上下関係は必要ないんですよ。」

【けいのメモ】
事業者と支援者は、「課題解決」のために同じ方向を向いて事業を前に進めるのが本質的な関係性です。そのため、有り物の事例や定石的な手法を提供するだけでなく、各パートナーの課題解決のために最適化したものを提供することが、パートナーとしてのあるべき姿といえます。


a-worksの何をご評価いただけたのか

三田:
「さきほど百々から、西井さんがa-worksをすごくご評価くださったとあったんですが、そこをあらためてお聞きしたいです。

僕たちもパートナーシップっていうのは日頃からすごく意識しているので、そういうところをご評価いただけたのかなと。逆に、『事例や手法を変換する力』っていう部分はまだまだ足りていない自覚があるのですが、どこをそんなにご評価いただけたのでしょうか?」

西井様:
「a-worksをすごくいいなと思ったのは、支援者として、事業者と同じ方向を向いているところなんですよ。

当然と言えば当然ですが、自社利益の最大化が第一義の代理店さんも多いんですね。そういう代理店さんにとってのいいお客さんって、金払いがいいかどうかで決まってしまうことも多々あって。
御社の場合は成果報酬でやってるので、事業者が儲からないことには御社も儲からないですよね。だから、事業者の売上を上げるためにどうするかを考えるようになってると思います。
でも僕は、成果報酬型っていうモデル自体をいいと言ってるわけではないんですよね。


百々さんのダイレクトアジェンダのプレゼンを聞いたときに、『売れる方法を知ってるな』って思いました。Gmail広告やGDN(Googleディスプレイネットワーク)の使い方などの手法の話じゃなくて、その根本の『売れる思考』がちゃんと身についているところが素晴らしいなと。

ダイレクトアジェンダでは、流入キーワードから消費者インサイトを紐解いて、LP(ランディングページ)に反映させるという『思考』の話をされてましたが、僕はああいう思考は非常に重要だと考えています。普通はLPを作るとなると、FV(ファーストビュー)にどんなコピーを入れてどういう画像を使う、みたいな手法が先行しがちなんですよね。そしてそれで売れるんですかって言うと、そこには責任を取れていなかったりもしていて。

でも御社はお客さんの売上をどう作るかを考え続けた結果、ああいう『売れる思考』にたどり着いたのかなって感じて、それが本当にすごいなと思いました。本当の意味でマーケティングをやってるなっていう。」

三田:
「ありがとうございます。
本当にこんなに褒めていただけるなんて、光栄です。」

【けいのメモ】
弊社はアフィリエイト広告を用いて、ブランド企業のスケールに向き合い続けてきました。検索ユーザーに最適化したコンテンツを作ることで自然に売れる状態を作れるアフィリエイト広告は、最も効果的な手段であると考えています。
「いかにして売れる状態を作るか」を愚直に考え続けてきた結果として「売れる思考」が身についていることをご評価いただけて、大変光栄でした。

そもそも「マーケティング」とは?

溝端:
「西井さんがよく言われていることとして、『マーケティングを学びたいならアフィリエイトをやれ』っていうメッセージがあると思うんですけど、それも『売れる思考』のお話と同じ文脈ですか?」

西井様:
「そうですね。文脈としては同じです。
みなさん『マーケティング』の日本語の意味ってわかります?」

三田:
「『販促活動支援』とか…?」

弊社高田:
「『市場創造』…?」

西井様:
「ありがとうございます、両方全然間違ってないです。表現の問題なので。
僕は前職のシーラボのトップに教えてもらったんですけど、マーケティングとは『売れる仕組みづくり』だっていうのがしっくり来てるんですよね。

この言葉で大切なのって2つあって、『売る』じゃなくて『売れる』なんですね。もう1つが『仕組み』だってことです。売れる仕組みを作る中で、自分に何ができるかを考えるのってすごく大切だと思っています。

アフィリエイトでモノを売ろうと思うと手段はいろいろあって、まずサイト作って、SEOの勉強をするかもしれないし、SNSでフォロワーを増やすかもしれないし、リスティングやるかもしれない。どんな商材なら売れるかっていうリサーチももちろん大切。

そして、適正なコスト(労力)をかけて、その報酬を得ると、どういうところに力を入れるとそもそも儲かるか、ということが理解できる。 そういうことを1つずつ丁寧にやっていくと、ビジネスの上から下までを比較的網羅できるんですよね。

それに加えて『売れる思考』も身につけられるので、僕はアフィリエイトを勧めています。」

「共に創る」よいパートナーであるために

自分の価値を高める

三田:
「『パートナーシップ』についてもう少しお聞きしたいんですけど、

御社は、パートナー企業さんと協力しながら一緒に戦略やブランドを作っていくっていうことを大事にされてると思うんですね。で、僕たちもパートナーシップはすごく大切にしているんですけど、中には『共に創っていく』っていう考えをあまり持たれない企業さんもいると思うんですよ。
そんな中でよいパートナーシップを組むために、必要なことって何なのかっていうのをお聞きしたいです。」

西井様:
「僕もそこは課題だと思っています。『共に創る』っていう意識が薄い事業者さんは多いですから。目の前の売上とか利益目標だけを突き詰めていくと、やっぱりそうなってしまうんですよね。

今までの多くの代理店のやり方って、『売る』っていうことなんですよ。広告媒体を売る、下手すると相手に必要がなくても売りつけるっていう。でもさっき言った通り、マーケティングって『売る』じゃなくて『売れる』なんですね。だから、自分たちの価値をちゃんと理解してくれて、売れる状態を作るっていうのがすごく大事です。

そういう意味でいうと、御社も最近はイベントの登壇とかで良いお客さんと引き合えるようになったと思うんです。飛び込み営業じゃなくて、今は自社の価値を上げればどんどん良いお客さんと出会えるようになるし、お客さんを選べる状態になるんですよね。」

三田:
「なるほど。自分たちの価値を上げてより魅力的になることで、勝手に良いお客さんが集まってきてくれるようになると。」

西井様:
「そうですそうです。
僕が起業してから12,3社コンサルをしていて、その内2,3社はすぐにお断りさせていただいたんですけど、残りの10社は5年経った今でもずっと続いています。

理由は簡単で、実際に売上も利益も上がってるからなんですよね。
そうなるとお客さんからもっと入ってくれって言われるし、それが評判になって、『西井さん入ると売上上がるよ』って言ってもらえる。『発注してやるよ』っていうスタンスで来るお客さんは相手にしなくてよくなるんですね。

そういう業界にしたくて、僕はシンクロっていう会社でBtoBの視点からマーケティングをやっています。」

コミュニケーションをしっかり取る

西井様:
「僕がもう1つすごく大切にしてるのが、やっぱりコミュニケーションなんですね。これは僕もすごく気にかけてることなんですけど、どんなパートナーさんであれ、お互いにどこか尊敬できる部分がある相手と組むっていうのはすごく大事で。言い方難しいんですけど、一方的な仕事の付き合いだけだとあんまりよくないというか。

ぶっちゃけ僕は社内と社外とかどうでもいいと思ってるんですね。僕は野山さん(弊社代表)と全然ビジネスの付き合いがあるわけじゃないけど、すごく学ぶことがあるからお話や本を読ませていただいたりしているわけで。

現代は、お金の繋がりでしかなかったらやっぱり切れちゃうところがあるんですけど、親身になってちゃんと相手のことを考えられる人だったら絶対そうはならないと思ってます。」

【けいのメモ】
事業者と支援者の関係を語るとき、一般的には「対等であるべき」という話になりがちですが、本質は、対等であるだけの価値を出しているかということです。
課題解決に向き合い、結果が出せて、まわりもその価値を理解してくれている状態を作ることで、必然的に素敵なパートナーからお声掛けいただけるようになります。これも1つの「売れる仕組み作り」です。
何をするにしても、素敵な人に囲まれるためには自分を高め続けなければなりません。


ここからは第2部となります。

テーマは「”スキルのあるマーケターがいる組織”は、どのように作られるのか」です。さっそくどうぞ。

第2部:”スキルのあるマーケターがいる組織”は、どのように作られるのか

第2部は弊社のメンバーが入れ替わりまして、
西井様と、弊社から高田、森島、佐藤の計4名です。

左から、佐藤・森島・西井様・高田

高田:
「第2部では、マーケターとしてどうあるべきか、組織とはどうあるべきか、という話ができればいいなと思っています。
それに合わせて、いい題材として『コラーニング』というものがシンクロさんのHPに出ていたので、軽く紹介させていただきますね。
簡単に言うと、マーケティングをeラーニングで学べるアプリなんですが、この打ち出し方がすごく面白かったんですよ。


簡潔に言うと『スキルのあるマーケターがいる組織は、売上を100%伸ばすことができる』という内容なんですが、ここまで言うからには何か強い想いや背景があるんだろうと思いました。このあたりを紐解いて、明日から自分はマーケターとしてどう歩んでいくべきか、というヒントが見えたらいいなと思います。」

『コラーニング』開発の背景

高田:
「ではそろそろ本題に入っていきますね。
まずは『コラーニング』の開発秘話的な部分、なぜこういうアプリが必要だと感じたのか、このアプリによって業界をどうしたいかといったところをお聞きしたいです。」

西井様:
「『コラーニング』って何かって言うと、さっきもご紹介いただいたようにマーケティングの勉強ができるアプリです。

デジタルマーケティングを勉強できるアプリを法人向けにリリース|株式会社シンクロ

マーケティングの勉強って、本読んだり動画見たりいろいろあると思うんですけど、ちょっとハードル高いじゃないですか。

コラーニングは、LINEとかメッセンジャーみたいな形式で、双方向的なやり取りを通して学習できるんですね。その中で、選択式の質問に答えていって、ひと通り終わると自分がどんなスキルを得られたかがわかるようになっています。」

高田:
「なるほど。自分がどういうスキルを得られたかって、本とか動画を見るだけではなかなか認識しづらいですもんね。」

西井様:
「そうなんです。
いろんな会社さんを見てきて、やっぱりみなさんデジタルマーケティングをやらないとまずいってわかってるんですね。
だけど、デジタルマーケティングをしようって言うと、マーケティングオートメーションとかDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)みたいな手法の話になりがちで、根本的な考え方の部分ができていないなってずっと感じてました。」

西井様:
「そういう根本的な知識や考え方を、僕が高いお金をもらっていろんな会社さんで話すことに意義があるのかって思ったんですよね。だったらそこは安くで提供して、個別で考える必要がある部分を考えていきたくて。

あと、勉強していくと必ず差が出るんですね。誰がどのくらい勉強してるかが見えて、できていない子には手を差し伸べられるような仕組みを作りたいっていうのもありました。

加えて言うと、『”Co”-Learning』ってことで、”共に”っていうところも大事で。部下が学 んだことやデータから新しいビジネスアイデアが浮かぶことって、僕もたくさんあるんです よね。そういうインタラクティブな学びを含めてこのサービスで支援していこうと考えています。」

高田:
「ありがとうございます。
ビジネスやマーケティングの根本的な考え方を学んで、社内で新しいビジネスモデルや企画を共につくっていくためのベースとなるアプリということですね。
とてもおもしろいです。」

【けいのメモ】
『コラーニング』:
デジタルマーケティングの本質的な考え方・知識を、体系的に身につけることができるアプリ。コラーニングによって若手がデジタルマーケティングの根本的な考え方を学び、若手の学びから生まれる新しい発想によって、チーム全員の学びを促進してくれます。

全員がマーケターとなるために必要なこととは?

何から始めてもよい

佐藤:
「以前、『組織にいる全員がマーケターであるべき』っていうお話をされていたと思うんですけど、それに向けてa-worksや他の会社さんに必要なことがあったら教えていただきたいです。」

西井様:
「まず、マーケターとしてのキャリアのスタートって何でもいいんですよ。僕のスタートは世界一周のHPですけど、初めは当然誰も見に来ないじゃないですか。アクセスカウンターとか見ても、0人の日なんかザラにあって、そんな中でたまに5人とか見に来てくれると嬉しい、みたいな。そういうところから、どうすれば集客できるんだろうって考えるようになって、結果的にSEOを始めたりするわけですよね。

で、組織っていうので考えると、会社ってトップに社長がいて、経営層がいて、ボトムに現場があるじゃないですか。この中でお客さんの情報をたくさん持ってるのって、現場の人たちなんですね。

これが経営層に上がってくるにつれて情報が少しずつ曲がっていっちゃうと、経営ってマーケティングとして正しい決定ができなくなりますよね。

僕がオイラ大地に入ったときからずっと、現場の声をちゃんと吸い上げる、もしくはそのまま現場に入ってくれって言われてます。」

佐藤:
「そうなんですね!
CMOって聞くと、その人が最高決定者として上から指示出してマーケティングをやるっていうイメージですけど、オイラ大地の場合は現場に入ることが求められていると。」

西井様:
「そのとおりです。
だから僕は今でもお客様と直接お会いしてお話を聞かせていただきますし、Facebook広告の管理画面を自分で持っていて、GoogleAnalyticsもめちゃくちゃ見てます。
最終的には現場に入ることが大事なんですけど、それを俯瞰して全体を把握しながらやれるようになるのが、キャリアとしては重要だと思います。

売れるブランドの生命線

西井様:
「今の時代に僕がすごく感じているのは、“お客さんが喜べば売上が上がる”ってことなんですね。

たとえば、Amazonってほとんど広告やってないですよね。もうAmazonの中で検索して商品を探すっていうのが普通になってたりします。

じゃあAmazonはマーケティングやってないのかって言うとそうじゃなくて、実は10年以上前から当日配送やってるし、サイト内検索するとほぼ確実に目的の商品を出してくれる。つまり、お客さんが欲しいと思ってから手元に届くまでがめちゃくちゃ早いサービスを提供してるわけです。

僕は普段からオイシックスの目的は『豊かな食卓を作ること』だって言ってるんですけど、これが『野菜をたくさん売る』がゴールだったら、マーケティングはできないと思ってます。

だから、自分たちがお客さんにとってどういう存在かを考えて、全員じゃなくていいから一部のお客さんがめちゃくちゃ喜ぶサービスを提供すること。そして、それが自分たちの価値だって理解できると、自然と全員マーケターになっていけるんじゃないかなって思います。」

西井様:
「オイシックスって、注文してから届くまでに3日くらいかかるんですね。でも、そこをもっと縮めることがオイシックスの価値ではないんです。お客さんとしては、すぐ届くっていうのはもちろん嬉しいことなんだけど、ただ早く欲しいのであればスーパーで構わないわけですよ。

でも僕らの価値はそこじゃない。
実はオイシックスって注文を受けてから野菜を収穫してるんで、収穫してから食べるまでが最短なんですね。獲ってすぐに届けてるから、味が全然違うんですよ。僕たちはそういう体験を作っているので、僕らにとっては配送が早いことが正しいことじゃなくて。

だから、『何がしたいのか』、オイシックスであれば『豊かな食卓を作る』を実現するために何をするべきかっていうのを考えるのがすごく大切で、それができてお客さんを喜ばせられたら勝手にリピートしてくれるんですよ。これが僕の根本的なマーケティングの考え方です。」

【けいのメモ】
マーケティング、すなわち「売れる仕組み作り」において最も重要なのは、顧客を喜ばせること。そのためには顧客にとっての価値を定義・言語化しなければいけません。
したがって、お客さんに最も近い現場で生の声やデータを拾い、顧客ごとに最適なサービスや提案に落とし込むことが、「売れる仕組み作り」の成功につながります。
売れるブランドは現場がしっかりしているからこそ、売れるのです。


新人マーケターへ

高田:
「ありがとうございます。
時間がそろそろ来てしまうんですが、おふたり(森島・佐藤)から何か西井さんにお聞きしたいことないですか?」

森島:
「ここまでで『マーケターとしてのあるべき姿』というお話をいただいてすごく勉強になったんですが、特に新人マーケターが持つべき視点や意識すべきことがあればお聞きしたいです。」

西井様:
「僕が新人マーケターの人にいつも言うのは『まずは1年かけてその道のプロになれ』ってことです。

デジタルマーケティングって移り変わりが早いから、部分的なところをいえば、 1年死ぬ気でやれば、その道の一流にはなれるんですよ。だけど、あまりみんなそうは思っていない気が僕はしていて。いろんなことを中途半端にやっちゃう人が多いんですけど、それよりは、1つのことを本当に極めるつもりでやるべきだと思っています。

そして、1年かけて1つのことを極めると、その後のキャッチアップも早くなるんですよ。大きなボールを転がすのと同じで、最初の転がし始めを踏ん張れば後は割とラクに進めるっていう感じです。あと、一流のスキルを1つ身につけちゃうと、そのまわりのスキルとか知識も勝手に入ってきてるはずなんですよね。

だから、まずは目の前の仕事を死ぬほどやってみてください。」

最後に

今回も、a-worksメンバーのスキルアップのため、西井様に2時間みっちりとお時間をいただきました。西井様、ありがとうございました。

弊社以外の代理店・事業者さんの関係性と、そこから浮き彫りになる弊社の強み・弱み。マーケター/マーケティング組織として持つべきマインドセットなどに加えて、西井様のビジネススタンスや価値基準なども垣間見える、素晴らしい時間でした。

具体・抽象が織り交ざった難しいお話も多くありましたが、本記事を通して、お読みいただいた皆様に少しでも今回の内容がお伝えできていれば幸いです。

以上でレポートを終わります。
最後までお読みいただいた皆様、ありがとうございました。