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売れるFVの仕掛けは3つ【売れ続けるクリエイティブの在り方】

 

Web通販の発展とともに、進化するランディングページ(以下、LP)。
 
選べないほど乱立するライバル商品のなか、売れ続ける仕組みとして機能するLPにはどのような仕掛けがあるのでしょうか?
 
前回の記事では、「そもそも売れるLPとは何か」を考える一環としてLPのコンテンツ構成についてお話ししました。
 
本記事では続編として、LPで一番大切なファーストビュー(以下、FV)の在り方を考えます。

【全5回連載】
第1回|競合に、もう負けない。【売れ続けるクリエイティブの在り方】
第2回|売れるLPとは何かを考えてみた【売れ続けるクリエイティブの在り方】
第3回|売れるFVの仕掛けは3つ【売れ続けるクリエイティブの在り方】(本記事)
第4回|LPOかフルリニューアルか、それが問題だ。【売れ続けるクリエイティブの在り方】
第5回|LPO/フルリニューアル成功事例まとめ【売れ続けるクリエイティブの在り方】



 大阪・本町オフィスからコンニチハ。
【語り手】a-works セールスコピーライター まさよ

・ダイレクトとブランドを両立するLP制作でCVRが1.5倍に改善、LTVが1.2倍に改善など実績多数
(こちらもどうぞ)思いを形にするってどんな仕事?-ブランドコピーライター×セールスコピーライター対談


 

そもそも、FVとは?

コーセープロビジョン様「米肌」肌潤美白シリーズLPのFV(a-works制作)
 
FVはファーストビューの略称で、パソコンやスマホでLPを開いたときにスクロールせず、最初に見える範囲をいいます。
 
最大のミッションは、訪問者の注意を引き寄せて離脱を防ぎ、LPの続きを読ませることです。
 
映画・ドラマで、冒頭部に興味を持てなければ続きを見るのを止めてしまった(=離脱)経験はありませんか?
 
FVも同じイメージで、検索画面やメディア記事、インスタグラムなどのSNSからLPに遷移〜見開いた瞬間のインパクトの強さがとにかく大切です。
 

FVで商品を売る必要はない

FVの役割は、LPの続きを読ませること
いわゆる「客引き」専門のFVですが、一般的にLPにアクセスした読者の7割がFVで離脱するといわれています。
 
離脱の理由は、大きく3点です。

(1)何の商品かわからない

※a-works作成のダミーFVです
健康食品を売っている?
エステの体験申し込みができる?
 
キャッチコピーやデザインイメージを見てもFVだけでは何も伝わらない意味不明のパターンです。
 
化粧品のLPなのに「商品パッケージがない」「モデル人物のみ大きく掲載されている」など、商品ジャンルすら把握が難しいFVも多くあります。
 
インスタグラムなどのSNSやメディア記事で商品を認知した状態でLPを訪問する読者にとって、何の商品かわからないFVは自分の「探しているモノが見つからない」これ以上、読み進める意味がないFVです。
 
“欲しい情報にたどり着けない”ストレスは、FVからの離脱に直結します。

(2)自分に関係ある商品だと認識できない

FVで何の商品ページか認識できても、キャッチコピーの訴求ズレが原因で読者が自分の閲覧意図とのつながりがLPを見開いた瞬間(FV)に見つからず、自分に関係ないページと感じて離脱するパターンです。
 
例えばリスティング出稿の場合、KW「40代 シミ化粧品」の検索画面に表示されるLPのFVが40代向けの美白コスメではなく、60代専用のリフトアップ化粧品になっていたら、どうでしょうか?
 
あるいはSNSで、好きな有名人と同じ服を買いたくて彼女/彼の公式アカウントからアクセスしたLPのFVが、服とは全然違う雑貨の販売ページだったら??
 
多くの読者は「自分に関係ないページだ」と認識して、LPの続きを読むのを止めてしまいます(=離脱)。

(3)商品がステキに見えない

自分に関係ある商品だとFVで認識できても、ブランドの個性や商品の魅力がじゅうぶん伝わらず、読者が興味を失って離脱するパターンです。
 
連載1回目の記事でお話しした「モノありき」で売るセールス色の濃いFVに多いのですが、売り感が強すぎるとモノ選びの生命線であるブランド/商品イメージが読者の印象に残り難いです。
 
結果、商品をステキに感じられない読者は、自分の探している商品ではないと感じて離脱します。
 
□売れるLP
強烈なインパクトで読者の注意を引き寄せてLPの続きを読ませ、訪問者をCVに導く
(LPは読ませたら勝ち、読み進めたら買う)
□売れないLP
すぐ離脱されて機会損失=CVR低く、件数も売上も伸びない

売れるFVに在るべき要素

LP制作時のチェック項目に使ってください!

クセスを効率よく成約(CV)に変えて、機会損失を最小限に抑えるために。
離脱されにくい「売れるFV」にはどんな仕掛けがあるのでしょうか。

(1)情報の一致

読者がLP訪問前に接してきた情報と、FVから伝わる情報に整合性があることです。
 
目的は、LPを見開いた瞬間に読者がいま見ているページが自分に関係ある(自分に必要な)ページだと認識してもらうことです。
 
具体的には、アフィリエイトでSEOメディアに当てたい場合、読者がLPにアクセスする前に自分の手で入力した主要検索キーワード(「ヨガ 体験」「大人ニキビ スキンケア」など)を。
 
インスタグラムからの獲得を狙う場合は、インフルエンサーの投稿に見られる商品/サービスの推しポイント(すっぴん/姿勢がキレイだと褒められる、メイクが楽しい など)を。
 
自社が当てたい集客媒体からの読者の動線を分析して、読者がLPにアクセスする前に触れている情報要素をFVに含めましょう。
 
完全一致は難しくても、読者がLP訪問前に触れている情報に近いニュアンスの内容を、とりわけ大きく目立つキャッチコピーに組み込めると理想的です。

(2)購入の決め手

「手軽にお試しできるから」「効果効能に惹かれたから」「信頼できそうなブランドだから」「デザインが好きだから」など、お客様が自社商品を購入した一番の理由のことです。
 
重要なのは、「購入の決め手」が(広告主・ブランド側が考える)商品機能の優位性やおすすめポイントではなく、あくまで(ユーザーが答える)購入の意思決定に影響を与えた要素を入れる点です。
 
広告主・ブランド側が考える優位性やおすすめポイントよりも、実際のユーザーが購入を決めた要素をFVに設置することで、お客様から見たリアルな商品の魅力が読者に届きやすくなります。
 
 
広告主・ブランド側が推したい機能性や優位性は、FVの後に続く商品紹介コンテンツでじっくり紹介しましょう。
 
FVの役割は客引きですので、読者の興味を惹きつけてLPの続きを読みたくなるような仕掛けをセットすることが最優先です。
 
○「購入の決め手」の調べ方

ユーザーが感じる購入の意思決定に影響を与えた要素は、愛用者アンケートなどの実施により把握できます。

【質問文サンプル】
数ある化粧品から◯◯◯(商品名)を選ばれた一番のポイントは何でしょうか?

(3)世界観

ブランドや商品の印象を大きく左右する、独自性を感じるデザインイメージが世界観です。
 
選ぶモデルのテイストやブランドカラー、文字デザインまでビジュアルイメージ全般といっても良いかもしれません。
 
映画の予告編のように、FVでより商品を魅力的に見せるデザインで読者の興味を惹きつけてLPの続きを読み進めたいと感じさせることが重要です。

(+α)インサイト

「素肌がキレイな女性でありたい」「自分らしい選択をしたい」など、インサイトとは読者本人も気づいていない無意識の欲求のことです。
 
SEOメディア(アフィリエイト)経由の読者なら「毛穴 スキンケア」と検索しながら無意識ではファンデーション不要の素肌に憧れて(インサイト)いたり、インスタグラム経由の読者なら、特定のインフルエンサーをフォローする行為そのものが「本当はこうなりたい」という願望(インサイト)の表象だったり。
 
インサイトは表面からは見えません。
 
ただ、インサイトのヒントは「売れるFVに在るべき要素」の(1)情報の一致に隠れています!
 
読者本人も気づいていない無意識の欲求(インサイト)が顕在化して、言語化された欲求のカケラが読者がLPにアクセスする前に接してきた情報だからです。

<インサイト例>「毛穴 スキンケア」の場合
媒体に合わせて「ヒント」の見え方は変化するが、インサイトを紐解く基本は同じ

商品ジャンルや顧客層によって、インサイトは千差万別です。

インサイトは目に見えない点が本当に厄介ですが、きちんと把握できると読者が無意識に「こっちがいい」と自社商品を自然に選ぶ理由になります。

FV本来の役割である「客引き」の精度を高める、非常に強烈な武器となるわけです。

— インサイトの見つけ方

目に見えないなら、インサイトは読者がLPにアクセスする前に触れている情報から想像するしかないの?
 
そんなことはありません!
インサイトに近づくヒントを集める手段のひとつに、愛用者アンケートの活用があります。
 
お客様にライフスタイルを尋ねる質問項目を設けて「人に言われて、いちばん嬉しい言葉は何でしょうか?」と聞いてみてください。
 
「人に言われて、いちばん嬉しい言葉」←この聞き方がポイントで、自分でも気づいていない無意識の欲求をツンツンと刺激する狙いがあります。
 
インサイトのヒントを得る手がかりになりそうだと思いませんか?
 
質問だけはパッと答えられない方が大半だと思いますので、選びやすいように商品ジャンルに合った回答の選択肢をいくつか用意しましょう。
 
実際にアンケートを実施すると、一つの選択肢に回答が集中することも多いです。
 
もし特定の傾向が見られる場合は、それがインサイトを探る手がかりに。
 
上記「クレンジング」の例でいうと「素肌がキレイですね」に回答が集中した場合は読者がLPにアクセスする前に触れている情報からのインサイト予想が一致していた!ということですね。
 
同じイメージで、読者がLP訪問前に触れている情報とアンケート結果をもとに、インサイトを深く掘り下げていきましょう。
 
アンケート実施の他にも、長期でリピート購入しているロイヤル顧客にインタビューをするのも良い方法です。
 
もし対応可能な場合は、ぜひ検討をおすすめします。
 
インサイトはあくまで無意識の欲求のため、「あなたのインサイトは何ですか?」お客様に尋ねても本当の答えはまず得られませんので、そこだけご注意ください。。
 

良いFVを見分けるチェックリスト

  • 読者がLP訪問前に触れている情報とFVの情報が一致している(訴求内容/流入KW など)
  • 訴求内容/流入KW など、読者が自分に必要なページだと瞬時に認識できる要素が見開きで目に飛び込んでくる(大きく目立つキャッチコピーに本要素が含まれていると理想的)
  • どこを見たらよいかが明確(見るべき箇所が散らばっている→???が飛んで離脱される)
  • 「購入の決め手」要素が入っている(CVの意思決定に影響する要素=商品特徴の羅列ではないことに注意)
  • 文字を見るだけで意味が伝わる(読んで考えないといけない時点で???が飛んで離脱される)
  • ブランドの世界観が表現されている(ブランドカラー、モデルの印象などのトンマナ)
  • 広告主・ブランド側の言いたいことを詰め込んでいる(訪問者に寄り添っていない)
  • そもそも何の商品なのかわからない(←どれだけデザインが良くても×)
  • 単なる商品機能の紹介コーナーになっている
  • 競合商品と横並びにしたときのインパクトが弱い
  • キャッチよりデザインに目が行く(LPの基本はセールストーク、主役はあくまでコピーです!)

FVよいサンプル(アフィリエイトにおけるSEOメディアに当てる場合)

コーセープロビジョン様「米肌」肌潤シリーズLP(a-works制作)
□情報の一致(流入KW)
乾燥毛穴 開き毛穴
□購入の決め手
効果感(=毛穴が目立たなくなる)、価格
  価格記載ナシ:本品への引き上がりを見据えて、お得アピールは控えました
  • 読者がLP訪問前に触れている情報とFVの情報が一致している(訴求内容/流入KW など)
  • 訴求内容/流入KW など、読者が自分に必要なページだと瞬時に認識できる要素が見開きで目に飛び込んでくる(大きく目立つキャッチコピーに本要素が含まれていると理想的)
  • どこを見たらよいかが明確(見るべき箇所が散らばっている→???が飛んで離脱される)
  • 「購入の決め手」要素が入っている(CVの意思決定に影響する要素=商品特徴の羅列ではないことに注意)
  • 文字を見るだけで意味が伝わる(読んで考えないといけない時点で???が飛んで離脱される)
  • ブランドの世界観が表現されている(ブランドカラー、モデルの印象などのトンマナ)

(参考)アフィリエイトにおけるSEOメディア経由でCVする読者の導線

サンスター様「ホワイトロジー」(a-works制作)
□情報の一致(流入KW)
シミ消す 美白(化粧品)
□購入の決め手
効果感、サンスター様の研究力
  • 読者がLP訪問前に触れている情報とFVの情報が一致している(訴求内容/流入KW など)
  • 訴求内容/流入KW など、読者が自分に必要なページだと瞬時に認識できる要素が見開きで目に飛び込んでくる(大きく目立つキャッチコピーに本要素が含まれていると理想的)
  • どこを見たらよいかが明確(見るべき箇所が散らばっている→???が飛んで離脱される)
  • 「購入の決め手」要素が入っている(CVの意思決定に影響する要素=商品特徴の羅列ではないことに注意
  • 文字を見るだけで意味が伝わる(読んで考えないといけない時点で???が飛んで離脱される)
  • ブランドの世界観が表現されている(ブランドカラー、モデルの印象などのトンマナ)

FV惜しいサンプル

※以下3例は全てa-works作成のダミーFVです

  • 広告主・ブランド側の言いたいことを詰め込んでいる
  • そもそも何の商品なのかわからない
※満面ほほえみ美肌ってなに??なんかよくわからなーい(=離脱)


  • 広告主・ブランド側の言いたいことを詰め込んでいる
  • FVが商品機能の紹介コーナーになっている
  • ブランドの世界観が置き去りのビジュアル
※機械の取扱説明書みたいで、女性には完全に不向き(本当に萎える)(=離脱)


  • 広告主・ブランド側の言いたいことを詰め込んでいる
  • 女性モデルの顔に視線が全部持って行かれてコピーが置き去り状態
※LPの基本はセールストークなので、主役はあくまでコピーであるべき


現時点で考える、最強のFVの作り方

自社LPをチェックする参考に

情報の一致 × 購入の決め手 」をブランドの世界観のなかで表現するだけでもFVは成立しますが、より強烈なFVにする要素が(購入者)インサイトです。

□インサイト
本人も気づいていない欲求のスイッチ
人間のさまざまな心理のなかで、人を動かすもの
 
 
FVに購入者インサイトを入れるメリットは、商品機能や価格など、見た目の特徴で競合と並んだときに「こっちがいい」と無意識レベルで選ぶ理由になることです。
 
競合ではなく自ブランドを選ぶよう、本人も気づいていない隠れた欲求(インサイト)を刺激します。
 

FVをインサイトの有無で比較してみる

例)サンスター様「緑でサラナ」の場合(a-works制作)
※集客媒体は、アフィリエイトにおけるSEOメディア

 

「食の楽しみはそのままに(インサイト)」があるだけで、FVに引きつけられる強さが圧倒的に違うことが明らかにご実感いただけるかと思います。

これが、FVの印象をより強烈にするインサイトの力です。

□情報の一致(流入KW)
コレステロール 下げる
□購入の決め手
効果感(=コレステロール値の低下)、サンスター様の信頼性、SMCSでコレステロールを下げる「日本でただ1つ」のトクホ
□購入者インサイト
食の楽しみをけずることなく人生を楽しみたい
 (おいしいものを我慢したくない、でもコレステロールは下げたい)
  • 読者がLP訪問前に触れている情報とFVの情報が一致している
  • 訴求内容/流入KW など、読者が自分に必要なページだと瞬時に認識できる要素が見開きで目に飛び込んでくる
  • どこを見たらよいかが明確
  • 「購入の決め手」要素が入っている
  • 文字を見るだけで意味が伝わる
  • ブランドの世界観が表現されている

売れ続けるFVのデザイン

キャッチコピーで組み上げた強烈なFVを更に盤石にするために、次はデザインの力を借りましょう!
 
情報の一致 × 購入の決め手 ×購入者インサイト
 
売れるFVに必要な3要素を、ブランド独自の世界観(デザイン)のなかに構築していきます。
 
世界観とは、ブランドカラーやモデルの印象などブランドイメージを形成する要素すべての総称です。
 
読者がブランドの世界観のなかで、自分の検索意図に寄り添いながら、インサイトを鋭く突いた無意識レベルの「感動」を体験する(=ブランド体験)

FV(客引きの場)でブランド体験を実現する、という点に着目してください(非常に重要)。

お客様が本当に欲しいのは、レストランではなく「大切な人と一緒に過ごす時間」
 
世界観たっぷりのFVで読者がブランドに共感できると、読者は自分のなかで起こっている感情や、商品を通してなりたい自分の実現(やりたいこと)がこのブランドならできる、と商品と自分を自然につなげて認識するようになります。
 
FVに検索意図に沿ったキャッチコピーが入っていることが大前提にはなりますが、ブランドの世界観に満ちたデザインのFV経由で購入されたお客様は、機能性や価格で購入を決めたお客様よりもLTVが高い傾向がありました。
 
 

LPを改善する方法は2つ

売れるLPの在り方として、コンテンツ構成とFVについて考えてきました。
 
売れ続けるLPの指標となるLPのCVR(成約率)の改善方法には、大きく分けてLPOとフルリニューアルの2つの選択肢があります。
 
次回は、その前提となるLPOとフルリニューアルそれぞれのメリット・デメリットの理解を深めながら、自社に最適なLP改善の取り組みを考えたいと思います。
 
ではまた次回お会いしましょう〜!

【全5回連載】
第1回|競合に、もう負けない。【売れ続けるクリエイティブの在り方】
第2回|売れるLPとは何かを考えてみた【売れ続けるクリエイティブの在り方】
第3回|売れるFVの仕掛けは3つ【売れ続けるクリエイティブの在り方】(本記事)
第4回|LPOかフルリニューアルか、それが問題だ。【売れ続けるクリエイティブの在り方】
第5回|LPO/フルリニューアル成功事例まとめ【売れ続けるクリエイティブの在り方】